殺戮女中の手口。第二十一回。

皆さん今晩は。如何お過ごしでしょうか。夏用の彼氏彼女を用意するのに大わらわなボーイズ・アンド・ガールズの皆様、お客さんに新しい新しい水着を買って貰おうと考えている夜の蝶の皆様、水着は勿論、スターリン時代のソヴィエト風のカッティングでしょうな、マドモアゼル?
わけのわからない前口上でお送りしますキリングメイド・デラックス。今夜も僅かな時間ではありますが、お付き合い下さいませ。
本日の音楽は、はっぴいえんどの「風をあつめて」。夏の気だるい午後の日差しをお楽しみ下さい。

はい。改めまして今晩は。キリングメイド・デラックスです。
最近ふっと気づいたことがありましてね。あたしはけっこう、牛を食べているわけですが。内臓も好きですし。あ、肝臓は食べられないんですけども。
そーいう牛生活を送っていながら、食べてない部位があって。それが、おっぱいなんですね。乳房。なんかこう、痛恨の一語しかないわけですが。でも意外と乳房をムニュに標準装備しているお店。というのも少ないように思いますね。食べたことないから味もよくわかんないけど、たぶんふわふわした歯触りで、脂も濃そうな気がするんだ。自分のおっぱい揉んでみれば、なんとなく味も想像つきますがね。
しかしまあ、焼肉屋のムニュとか見ると、よくわからない名前のお肉がありますね。ミスジ。とか、トモサンカク。とか。結局どこの部位なのか、よくわかんない。希少部位って言われてもさぁ。みたいなね(笑)。もうめんどくさいから、カルビ、ロース、糞パイプ(腸のこと。流行らせたい。でもきっと流行らないと思う)、その他。くらいでいいよもう、小賢しいっつの。って思いますよね。正直さあ、肉の部位に詳しい男って、ありかな? 蘊蓄ばっかりのやつって、いいから黙れよ、って思うのは、あたしだけなのでしょうか。

どうも世の男性というのは、蘊蓄をひけらかしてモテたい。という欲望がありますね。無論あたしにもあります。ただあたしはそれ以上に、ウケてほしい欲望のほうが勝ってしまうという病理があって。話を聴いてる女の子の顔に軽ーく斜が入ってきたら、「どこかで下らない話をしないと!」という気持ちになります。
蘊蓄っていうのとは少し違うけど、暗号めいた業界用語を話したがる。っていうのも、男の病ですね。そーいうのもあって、ラーメン次郎(だっけ?)も人気があるんでしょうね。なんだっけアブラマシマシとか。あれ呪文ですよね。ややカルト的というか。
「そのクラスタ内でしか理解されない言葉」というのに萌えちゃう。っていうのは不思議ですが、それをやってると言語学の領域に足突っ込んじゃうので、触りませんが。あーいうのを得意気に言うことほどダサいことはありませんな。その最たるものが、昭和芸能人の業界用語。ですね。あれのルーツはジャズメンなんですが。C万、G万っていうのはツェーマン、ゲーマンと読みますが、あれ、ドイツ語ですからね。音名です。あとはピアノをヤノピ。ラッパをパツラ。とかひっくり返してニヤニヤしたり。それも堺正章さんのおっしゃった、「ワーカノ、レーナガニ、ズンタッタ!」を一種の極点として、衰退の一途を辿った。というのは、タモリさんの回想ですが。

あ、ひょっとして、いま、あたしダサいかも。イケてない感が出てきた辺りできょうはここまで。
また次回。