殺戮女中の手口。第30回。

おはようございます。キリングメイド・デラックス。本日もゆるりとお届けいたします。なんか最近暖かいですよね。ちょうどお昼寝にもってこい、くらいの気温で。その分朝晩が寒すぎて、起床が困難になりつつあります。

近頃あんまり遊んでいません。理由としてはシンプルに、お金がないからなんですが。尤も、あたしの遊びといっても、映画館、美術館、レコード屋、飯。くらいなものなのですが。まー、お金がないわけですよ。そうなるとついついTSUTAYAに行くことが多くなるわけで、見過ごした過去の作品とか、観たことない名作とかをレンタルしているわけです。なかなかフェリーニをまとめて観る。というのはやりにくいですからね。あ、因みに今いちばん観たいのは、「死霊の盆踊り」ですね。もうタイトルだけでおなかいっぱいになりそうですが(笑)。どこを探しても無いんだよな。

で、こないだ借りてきたのがソフィア・コッポラの最近作「ブリングリング」と、新感覚レイヤーホラー(と、予告編に出てきた)の「キャビン」。全く正反対の映画ですね。共通項としては、後味の悪さ。
「ブリングリング」の方からちょっと始めますけどね。そもそもブリングリング。ってのはどういう意味なのか。ヒップホップの方から産まれた造語で、「(派手なモノを)見せびらかす」という意味合いだそうで。2008年くらいに、ハリウッドセレブの自宅に侵入し、空き巣を働きまくったティーンの話です。ワイドショー的な見出しであれすると、あのパリス・ヒルトンが自宅をロケ地として提供。っていうのと、あのエマ・ワトソンがキュート&ビッチな役柄で出演。というところですかね。
この映画で描かれるティーン達を観ていて、常に何か満たされない欠落感。というのを感じましたね。パリスの家に行って(誰でもわかるような場所に鍵を隠してある。更に警備員すらいない。これはこれで問題あるぞ)ルブタンのヒールを頂戴したり、バーキン貰ってきたり、クラブルームでポールダンスに興じたり、現金も頂いたり。そうした盗品で、外側だけゴージャスになってみると、クラブでモテたりFacebookに友達申請が山ほど来たり。
そうして日々を愉しくしていても、埋められない欠落。これってなんなんでしょう?
あたしにもそういうところがあって、どれだけ本を買っても、CDを買っても、何かが足りない。
いっぱいカワイイモノが出てきて、幸せな気持ちに浸れるけど、すべてが途中からイミテーションに見えてくる。これはもう、すべての乙女にみてほしいです。
あ、因みにこの映画。R指定です。マリファナとかコカインがいっぱい出てくるからなんでしょうね。クレジットカードでコカインをラインにして1ドル札でキメる。エマ・ワトソンも勿論、ガンギマリでやんす。

続いては、「キャビン」。レイヤーホラー。って、なんじゃらほい。と思いつつ観賞。見終わったら、「うん。ヲタクの愛憎がよく出てるなあ」と、微笑ましい気分になりましたよ。
導入部は、アメリカンホラーのいつものパターンなんですね。若い者が5人。男3人女2人。みんなで湖にある別荘に行く。ホラーで湖といえば、クリスタルレイクですね。まあそれはいいとして、この5人のキャラをみてみると、ビッチの女、その彼氏のジョック、ガリ勉のナード、常にマリファナやってるジャンキー、そして、ヴァージンの女の子。どうすか? よくあるキャラ設定ですね。
別荘へ行く途中に寄ったガススタで、よくわからない警告を受けたりしつつ、GPSも作動しないような山奥に進んで行くと、別荘、というかほぼ小屋にたどり着く。と。もうあとはお分かりですね。いつものパターンで殺戮祭り(笑)。
でも途中にちょくちょく、管制室のシーン。が挟まれて、若者5人を監視しているのでした。
この管制室では、小屋とその周囲の環境をコントロールしていて、スラッシャーモノでは必ず出てくるビッチのおっぱいポロリを演出したり(周囲の気温を上げたり、フェロモン混じりの霧を出して、エロい気分にさせるのです)、集団行動させないようにしたりして、殺されやすい環境を整えているのです。
なぜこんなコントロールをしているのか。そもそもなぜ殺さなければならないか。というのはここでは言えません。ネタバレしてしまうので。でも「どこかで観たことある」のオンパレード。貞子みたいなのも出てくるよ!
ラストは後味悪いです。そして、今までジェイソンとかフレディの手にかかって死んでいった、一山いくらの犠牲者に黙祷を捧げたくなりました。捧げてないけど。そういえば、ジョニー・デップってたしか、フレディに殺されてたような。
ただ、こういうメタなモノが出てくると、ジャンルとしては死んじゃうんだよね。「スクリーム」でも思ったことだけど。いよいよホラーもネタ切れ。ということなのかしら。それは少し、寂しいですね。

それでは今日はこの辺で。