甘い拷問。第三回。サルシッチャ。

赤で良かったかね。
「ていうか、今日は晩御飯を奢って貰えるの?」
自分で呼び出しておいてなにそれ。いきなりイタリアンが食いたいってメールしくさって。
「うふふふ」
まあいいけど。ところで、きみはアニメとか観る人だっけ。
「全然観ない。時間が無くて。もっとも、時間があっても観ないけどね。うふふふふ」
でしょうね。あたしも観てない。ですがこれは観ておいて欲しいのね。「峰不二子という女」です。
「ルパンの不二子?」
そ。あのセクシー美人の峰不二子を主人公にした、ルパン三世のスピンオフ作品ですね。あのー。テレビシリーズです。
「テレビアニメの話はしないんじゃなかったっけ」
まあ、これは別。寧ろ現在を生きる女性には全員観ておいてほしい。
「大きく出たねえ。んで? 具体的にはどこがいいの?」
えーとまずは、とにかく画がいいのね。あのー。金曜ロードショーの枠でやる、いつものルパンとは全く違う、原作漫画の絵に近いんですよ。だから線が荒いし、影の描写も多いし、平気で不二子はおっぱい出します。平気で人も死ぬし。平気で銭形のとっつあんと寝るし。
「おおう。それは、、、あれだな」
そこがポイント高いの。自分の目的のままに奔放に動く女性像。っていうのは、アニメに限らずそんなに無いのね。そういう意味であれすると、タランティーノの「デス・プルーフinグラインドハウス」にも似た匂いを感じましたね。
「それ、どういう映画?」
仲良しガールズチームが、連続殺人犯をみんなで囲んでファックする映画。これもみんな観ましょう。このガールズチームっていうのがね、まあ、軽くビッチ入っていて。カッコいいのよ。自分の意思で動く女性たち。こないだの男がくっだらないインポ野郎だった、みたいな話を延々としてるの。
「ガールズトークの基本ね」
そういう映画ってあまり無い、、、ような気がする。映画に限らず創作に於ける女性って、もう役割が決まっているのね。男の身勝手さを包む母性のヴァリエか、男に責め苛まれる被害者のヴァリエ。そういうふうに動いてる。監督が女性であっても、あんまり、、、。ゲイの人だったら話は別ね。
「ふむ」
不二子はそういう、なかなか類型のないキャラで。魅力的ですね。
あと凄いのはエンディングね。
「え? 終わりの歌?」
エンディングは静止画の連続なんですけど。この画がもう。不快で。嫌な絵なんだ。マジで。
「嫌って(笑)。どういうわけ?」
子供の頃の不二子の絵なんだけどね。この不二子がね、だんだん服を脱いでいく。最後は全裸で、明らかに行為の後。っていう絵なの。
「、、、。それは、、、黙るわ」
たぶんこの絵が、不二子の行動原理のひとつ。みたいなことになるんじゃないかね。まだ途中までしか観てないからなんとも言えないが。
「そうかあぺドの変態かあ。それは嫌だなー。だいたいの変態は平気だけど、ロリとかぺドは死ねばいいのになー」
ねえ。あーいう連中全員死んだらいいのに。ていうか、あたしもロリの気はあるけど。
「だから、死ねばいいのになー。あんたが(笑)」
じゃあ、たまのこういう席が無くなるが、それでもいい、、、いいか(笑)。他にもメシ奢る男いるもんなキミには。
「いや、、、そういう人はいない、、、いないわ。ごはん食べてお仕舞い。みたいのは、あんただけだよ」
それは褒められたのかね?
「そうだよー? ていうか、嫌いな人には、ごはん奢らないでしょ? つかさあ、いい加減に告ったらどうよ? 断るけど」
断るのかよ!