惨劇のキリングメイド。

「アイドル。というくくりで音楽を選ぶがよい」という部長からのお題をいただき、あたしは途方に暮れたのである。
あたしのアイドル萌え遍歴で、最後に好きになったのはももいろクローバーZなのだが、いろいろと「玉井は可愛いなあ」「れにちゃんはなんだか困った人だなあ」などと言いつつ考えてみるに、別にメンバーに萌えているわけじゃなくて、あの太っちょプロレスバカ、こと川上アキラ氏に萌えていたことに気付き、「あ、あたしにはアイドルに萌える才能が無い」と、少しがっかりしたことがある。アイドルより、その後ろでいろいろと手掛けるプロデューサーに興味がある。
別に困ることでもないのですが。ただ、ああして熱狂することができないあたしとしては、非常に羨ましい。

そこで、楽曲の良さ。ていうか、あたしの好みの曲を選び、曲順を決める。というプチプロデューサーみたいなことでお茶を濁す方面にシフトした。
方向を決めてニヤニヤしながらTwitterを眺めると、吉田豪氏のツイートが面白すぎて、また少し考えてしまった。
アイドルに憧れる女の子の夢と身体を文字通り喰い漁ったり、カネ持ってとんずらしたり、なクソ男たちがいるかと思えば、ライヴ中にリストカットしちゃう娘がいたり。あたしは女の子が辛そうな顔をしているのがこの世でいちばんイヤなものであって、「こんな業界、潰れてしまえ」と思ってしまったりもした。


前置きが長すぎたので、各楽曲の解説。というより講釈。

1 夢見るシャンソン人形 France Gall
「アイドル」というお題でまず思いついたのが、コレ。この歌の歌詞については、いろんなサイト/出版物で解説があるので書かない。
ただ、あたしの所有しているベスト盤では「ヌカ人形」と訳されており、そこが気に入らない。ここはやはり「オガクズ人形」としてほしかった。そう言えば、「殺人鬼フジコの一生」というミステリのなかでこの歌が効果的に使われている。主人公であるフジコが被害者を絞殺しているときに、コレを爆音でプレイすると、なんか笑えます。小説は笑い事じゃないんですけどね。絞殺のあとは、バラバラにしてトイレに流すのな。

2 東京は夜の7時。 野本かりあ
ピチカートのカバー(1回目)。BPMを元曲から速めて、さらに派手にした仕上がり。プロデューサーは小西康陽氏なので、ピチカート本人が作った別ヴァージョン。
明るい曲調ではあるが、歌詞は暗い。「待ち合わせした レストランは もう潰れてなかった」り、「とても淋しい あなたに逢いたい」って言っている。この曲の初出は確か、バブル経済が終わりかけの頃。そういうのを思うと、そりゃ歌詞は暗くなるわな。

3 Perfume Spring of life
皆さんご存知のPerfume。あたしも一時期ファンでした。でも離れたのは、中田ヤスタカ氏に少し飽きてきたから。自室から引っ張り出すのが大変でした。

4 ワニとシャンプー ももいろクローバーZ
ももクロちゃん。コレがいちばんカッコいいと思う。ほら、「マツケンサンバ」とかの、ラテンフレイヴァーをかけた歌謡曲の歴史ってあるじゃないですか。それの最新型として使えます。

5 色彩のサンバft.カヒミ・カリィ 菊地成孔
コレはアイドルの棚に入れてはいけないと思う。でも入れた。夏の午後にアイスミントティーとかと合わせたいですよ。

6 ヒッピー・デイ lyrical shcool
ピチカートのカバー(2回目)。このラップのへたくそなところが可愛くてしょうがない。
そう言えば、Negiccoが小西氏プロデュースのレコーディングのときに、歌い慣れてないテイク1をOKテイクにされて「もっとあたしたち、上手く歌えます!」って直訴したそうです。小西氏は、もちろん無視したそうですが。

7 さよならft.OMSB Rinbjo
女優の菊地凛子さんが、菊地成孔氏プロデュースで歌手デヴューしたのですが、これが残念ながらあまり売れていないようです。
もったいない。トラックがカッコいいだけでなく、リリックは20代後半から30代の女性に向けた、ジェンダーとかセクシャリティを取り扱った傑作なのに。味が濃すぎるのか?
その中から、いちばん切ない曲をセレクトしました。

8 悦びに咲く花 ACO
コレは古いです。この曲については砂原良徳氏のアレンジと打ち込みが全てですね。「LOVEBEAT」は、良い作品だった。

9 恋はパニック ベイビーレイズ
めちゃイケを観てたら、ギターがカッコいいなあ。と思って購入した。キラキラ具合も良い感じです。他にどんな曲をリリースしているかは知らない。

10 スウィート・ソウル・レヴュー バニラビーンズ
ピチカートのカバー(3回目。こういうことは、やっちゃダメ)。
ラストもピチカートか。と、自分の音楽性の幅の狭さに軽くイラつく。
バニラビーンズも、なかなかブレイクしない。やっぱりロリ感がないからですかね。小さい女の子が歌って踊るのは確かに可愛いけど、そればっかってのはどうかと思う、今日この頃。


以上10曲。もし次回があるならば、自宅で繋いだノンストップMixを納品すると思います。

それではまた。おやすみなさい。

オタキングのキリングメイド。

タイトルは「女王陛下の007」の捩り。捩り過ぎてかえって失敗。

今日は久々に街宣車を大量に見ました。毎週末には必ず一台は見るのですが、今日は連続して3台。こんなフィーバー、やだな。しかもそれに付随して電波な演説まで始まり、なんかもう、戦争か(・_・?) 妄想電波大戦が勃発してしまいました。誰か助けて。マジで。

AKBの総選挙がありました。結果は指原莉乃さんが一位になり、正直「またオマエか!?」と叫んでしまいましたが。さほどのヲタでもないのでこのくらいにしておきますけど、何となく、もう武器が違うような印象を受けました。あ、でも、前田敦子さんと指原莉乃さんを比べてみると、なんか面白いかも。


さて。先日から斉藤環さんの「戦闘美少女の精神分析」をパラパラしています。横目で岡田斗司夫のクソっぷりもチェックしています。
そうしていると、どうしてもヲタクとは何なのか。ということを考えてしまいます。アニメやマンガにいい歳してはまっている人を、一般的には指すんだろうけども、鉄ヲタとかワインヲタ。っていうのもあるし。

ここで二つの箱を用意してみました。一つは「ヲタク」の箱。もう一つは「ファン」の箱。「ファン」の箱に入るのは、対象をただ好きな人たちです。アニメ、マンガ、鉄道、ワイン、その他なんでもいいです。その対象が好きで好きでしょうがない。好きなモノを手に入れる為に食費削ったり交際費削ったりして「しょうがないなあ、アイツは」とか言われたりしますけども、なんかカワイイような気もする。庵野秀明さんが代表例ですね。

対して「ヲタク」の箱に入るのは、対象を好きな自分が好きな人たち。要するに「未だにアニメが好きな俺、凄いだろ!」っていうドヤ顔をする人。心理の奥には過剰な自己承認欲求があり、権力欲が旺盛。
普通の人なら、仕事とか趣味の分野で研鑽を積むことで権力を獲得するのですが、「ヲタク」の箱に入る人は、権力をラクに手にしたがります。小さい同人サークルに入り込み、口の上手さだけで代表になり、実際に絵が描けるわけでもないのに、偉そうに振る舞う。

こういう人、居ますよね(あたしとか)。だから対象はなんでもいいのです。アニメでもワインでも、その場で偉そうに振る舞えればそれでいいわけで。だからサークル内で自分の立場が危うくなると、誹謗中傷とイジメで追っ払う。

これはあくまでもあたしの印象ですから、異論や反論はあると思います。て言うか、無いといけません。そうやって論を闘わせることで、ようやくヲタクの正確な輪郭が描けると思うのです。あ、個人情報を2ちゃんねるに晒すのはダメです(嘘。ホントは別にどうでもいいです。)。
あ、ちなみに。この分類の90%くらいは、竹熊健太郎さんのお話を読んで思いついたことを、白状しておきます。

しっかしまあ、流石「オタキング」と自称しただけのことはありますよね。

それでは皆さん、おやすみなさい。

ファリック・ガールズとキリングメイド。

どうにも体調が優れません。季節の変わり目だからですかね。鼻水が垂れたりあたまボーッとしたりします。とくになんか残念なのが鼻水ですね。これを集めて適当なJKの写真をつけてオークションに出せば、三万円くらいで売れるんじゃないのかな。
とか、くだらなーいことを考える体力はあります。あんまり心配しないで下さいね。

ここ最近、amazonをよく使っています。かつて手放したCDを買っているのですが、これがまた送料がかかってしょうがない。いくら安く買っても送料に千円くらいかかっていては、出費がかさみます。
でもまあ、確実に欲しいものが手に入るから、その手間賃。ってことかな。フランス・ギャルとか、野本かりあとか、意外と中古屋にないヤツがいつでも買えるしなあ。便利ですね。

んでまあ、そーいう買い物の中で手に入れた文庫が、斎藤環著「戦闘美少女の精神分析」。2000年に発行された、ヲタク論の本です。
戦う女の子キャラクター。セーラームーンとか、綾波レイとかに萌えちゃう男性ヲタクの精神分析を試みる、という変わったアプローチ。
その為にまず、アウトサイダー・アーティストのヘンリー・ダーガーの作品を読み解いていくのですが、これ以上はネタバレしそうなので、お口をミッフィーにしますけども。

ただ、この本。2000年の出版ということで、まあ古いんですね、データが。プリキュア出てこないし。もし、今同じテーマで書くとなると、プリキュアもそうだし、AKBときゃりーぱみゅぱみゅについても触れなければなりません。あ、もちろん「ラブライブ!」にも。
それまでは、紙に書かれた女性像にセクシャリティを感じていたヲタク達の性衝動が、どのように変化しているのか。現実の女性に過剰な女性性(それもかなり幼児的な)を付与することの意味はなんなのか。もっと言っちゃうとジェンダー論にまで踏み込むことになるんじゃないかな~。性器のある無しすらどーでもいい。みたいな。

さてそろそろ寝ましょうか。すっかり忘れてたけど、体調が思わしくないんだから

南アメリカのキリングメイド。

久々の一日オフだったんですけども。笑ってしまうことに殆ど眠ってしまっていたんですね。
本日のあたしの体たらくを順番にあげていきますと、朝の5時半に目が覚めてしまいました。
こんな時間に起きてもしょうがないですよ。仕事だったら未だしも。「めざましテレビ」が漸く始まったくらいです。加藤アナは可愛いのかどうか、ちと微妙です。真面目な方だな、とは思いますけど。
ニュースでは、安倍ちゃんのファックな仕事ぶりを報じておりまして。どうやら自由に戦争できるようになるらしいですよ。しかもそれをあたしが知ったのが、閣議決定の当日って。
そりゃあね、ろくにニュースを観てないあたしが悪いんだろうけどさあ、けっこう大変なことなのに国民にろくなプレゼンをしてないって、ドユコト? なめてんのかクソ野郎。

ふざけんなよコラ。と思いつつ朝飯を食い、新聞に目を通し、銀行のオープンを待つ。いろいろと支払いをして、コンビニでモーニングを立ち読み。新人賞の読み切りが素晴らしいです。
死んじゃった彼女がオバケになって、彼氏の元に現れる。というよくある話なんですけど、死んだ彼女がちょっと変わった女の子で、オバケはオバケでも、性器だけのオバケ。
イロモノっぽいな~って読み始め、後半はもう泣きそうになりましたよ。朝のコンビニで立ち読みして泣いちゃう中年って、どうなのよ。

帰る途中で髪を切りました。バスルームで(嘘。近所の千円カットで切った)。

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序でに新しい帽子も買った。

帰ったら某amazonで買ったCDが届く。どうでもいいけど、たかだかCD3枚で段ボール箱に入ってくるのは、何て言うか、エコじゃないよね。

さて今日は。実は映画「バードマン」を観に行くはずだったのでした。
ところが。お昼を食べたらそのまま意識を無くしてしまいました。気がついたら5時。もうね、あたしはホントに何なんでしょう。もうアレだね。「意識無くす系」で売っていこうかな。
映画の昼の上映時間は14:30。夜は20時からなんですけども、もう諦めました。しょうがない。DVDで観よう。「セッション」と一緒に。

予約したCDを受け取りに栄HMV。なんかアイドルちゃんのインストアイヴェントをやってました。あの娘達はなんだろう。チームしゃちほこかな。
で、楽しみにしてたdCprGの新譜を購入。去年のライヴでもやった「ロナルド・レーガン」も入っていて、なんかもうフルボリュームなんじゃないでしょうか。いや、まだちゃんと聴いてないんです。

その後、「あ、今日はカレーの日だった」と思い出し、いつもの「dress」へ。
今日のカレーは、挽き肉と夏野菜のココナッツカレーでした。とても美味しい。さっきのdCprGもかけて貰って、ありがとうございます。ところで部長、来月のネタは仕込んでおきますので。

という感じでした。あ、また安倍のクソ野郎がテレビに映ってやがる。黙れ。

疲労気味のキリングメイド。

みなさんこんばんは。お久しぶりにブログを更新してみよう、ってな訳ですが。少し前にも一回書いてたんですよね。でもね、なんかわかんないけど更新されず、書いた記事が全文吹っ飛び、「もう、どうでもいいや。。。」みたいな。ブルー入りますよね。
でもまあ、これを期にですね、ちょこっとだけリニューアル。まあ、あんまり変わらないんですけど。ああそれにしてもしゃべり口調って、ちょう楽チン。

今日帰宅中に伏見を通ったんですが、当たり前なことなんですけど御園座のビルがきれいさっぱり無くなっていて、寂しくなりましたよ。あれ、御園座って新しいビルになるのかな。どうだったか全く覚えていないのです。ていうかそもそも、御園座で芝居とか観たことないしね。一回は観ておきたかったなあ。五木(ピー)の座長公演。とかじゃなくて、歌舞伎ね。いや、中日劇場とかでも観れるけど、あたし個人の中には「名古屋で歌舞伎見物=御園座」っていう公式があってね、観劇後は地下の食堂街に入っていた「御多幸」というおでん屋で、おでんと燗酒。若しくはすぐ近くの居酒屋「大甚」で呑んで、いい気持ちになって帰りたいなって、思ってたのね。
「大甚」はまだまだ現役バリバリだけど、「御多幸」はもう商売しないみたいだし。しょうがないことだと思うけど。

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なんてなことを思いつつ日々を暮らしておりますけども、この間、けっこう久々に新譜を買ったんですよね。ここ最近は中古屋でジャズばっかり買っていて、これでは良くないな。と。昔のものを聴いてると、最近の良いものがわからなくなってしまうので。挙げ句の果てには聴いたことないのにEXILEを貶したりしてね。そーいう「音楽評論家」。いますけど。死ねばいいのに。

で、新譜なんですけども、V.A「アイドルばかりピチカート」。T-Palette所属のアイドルちゃん達が(参加ユニットは、アイドルルネッサンス。バニラビーンズ。Negiccolyrical school。ワンリルキス)ピチカート・ファイヴの楽曲をカヴァーした企画盤。プロデュースは小西康陽さん。ピチカート本人が作った贋作? なんて意地悪なことを思いつつ、でも昔のあたしピチカートマニアだったしなあ、って購入。早速聴いてみたら。

すいませんでした。贋作とか言って、マジにすいませんでした。

もう全曲捨て曲ない。まず一曲目が「不景気」。このアレンジがカッコいい。大瀧詠一みたいな分厚いオケにアイドルルネッサンスのかわいいけどヘッタクソな歌が乗っかって、なんかもう奇跡?
全ての曲においてこの手の奇跡が起きているんだもの。まず背筋が凍りつく。選曲もナイスでもう顔がほころびっぱなしですよ。

んで、もう1枚。Jazz Dommunistersの「BIRTH OF DOMMUNIST」。これは相当にアブストラクトなhip-hopのクルーの、ファースト。
メンバーの紹介をしておきます。MCが二人。まずはN/K。普段はジャズミュージシャンとしてサックスを吹いたり、DCPRGの頭のおかしい司令官をやったり、映画の件で町山智浩氏とケンカしたり(いい決着がついてよかったです)、大活躍の人。
もう一人はYOSHIO*O。普段は音楽評論家、サックス奏者、レコードの上で廻っているお寿司を「回転寿司だ!」って食べちゃったりと、こちらも大活躍の人。
リズムに技巧を凝らした、どうやってリリック乗せてラップするのかな? と困惑させるビートに、さらに複雑なリズムでラップしていく二人がカッコいいですよ。暴力的な知性の煌めきに戦慄します。
その中に通奏低音のように響く、差別主義者にfuck。という言葉。この言葉ってとても重要だと思うの。ほら、最近なんか自分と少しでも違うと、汚ならしいヘイトをぶつける輩がいるじゃないの。あたしあーいう連中大嫌いなのね。そんなの、自分と違ってて当たり前じゃないか、他人なんだから。自分と違うから面白いし、他人の考え方とかを知ることが生きている、ってことじゃないのか?
まあ、他人嫌いでもいいけど。でも嫌いだからってヘイトをぶつけて良いわけないだろう。そんな輩にはガソリンブッかけて火ィつけちまえ(あ、あたしもヘイトを言ってしまったよ。ごめんなさい)。

さて、そろそろ風呂入って寝よう。

ホーチミン市にミラーボールを。#6

クエスト(ミラーボールを買うことと、夜のDJ業務)を終えて翌朝。朝食を摂ってからはPCの前から動かず、取材記事を書く。ベッドメイクのお姉さんが可愛かったので、余計にチップを渡す以外には椅子の上である。腹が減ったらPCの隣にセッティングしたドライフルーツをつまみ、とにかくキーパンチを続けていると、N女史から電話。現地メディアが取材したい、とのこと。原稿仕事に厭きてきたので早速取材を受ける。
相手は、所謂ユースカルチャーを専門に扱うタブロイド紙で、クールジャパンの国からやって来た奇妙なDJに興味があるようで、何故日本人なのにきゃりーぱみゅぱみゅをかけなかったのか? と聞いてきた。何故って、きゃりーちゃんの作品を一枚も持ってないからなのだが、それを正直に言うのは気がひけるので、真面目に考えてこう答えた。
「私の表現したい世界観に合わないからです。きゃりーぱみゅぱみゅさんは好きですけれども、彼女の世界はカラフルで、まあ言ってみれば幼児的ですよね。私はそれよりも、アダルトなムードを紡ぎたいんですよ。DJカルチャー自体、幼児的なものですが、もうそろそろ大人になってもいいのではないでしょうかね? 良いですよ、歳をとるのは」

明らかにしゃべり過ぎた。取材も終わり、また原稿に戻る。


気晴らしに外に出ると、日本人らしき人物が現地の少女を連れて街の裏通りに入っていった。幼児売春か? だとしたらものすごく嫌だ。私にもロリコンの気は、まあ、あるっちゃ、あるが、フィクションの世界の話だし。あんまり小さい女の子にどうこうするって、それって完全な暴力だ。はっきり言って気持ち悪い。

イラついた気分でホテルに戻り、バーで強い酒を呑んでから部屋のベッドに寝転がる。

こうしてホーチミンでの滞在も終わり、名古屋に帰って来たのだが、ここで言っておかなくてはならないことがある。
ホーチミン市伊勢丹は存在しない。ミラーボールは販売していない。ホビロンは食べていない。ナイトクラブは存在しない。DJはしていない。私の文章の載ったB誌は発売されない。N女史という女性は存在しない。ホーチミン市は存在しない。
これは全て嘘であり、私は私の妄想の中にしか存在しないホーチミン市に滞在していたのである。

食べ物がみんな美味しくて、少し前に戦争があったあの街に、一度でいいから行ってみたいものだ。と思いつつ、筆を置くことにする。もっとも、筆を握っていた訳でもないのだが。

ホーチミン市にミラーボールを#5

さて伊勢丹でミラーボールを買い、重たい重たいと言いつつ、一旦ホテルに戻り荷物を置いた。その後早目のディナーを摂り、また移動。次に向かうのは、ホーチミン市内で最も古いナイトクラブ。ここでDJを70分のセットを2回廻し。というなかなかハードコアなスケジュール。
ヴェトナムに於ける日本年。とかいう大きなイヴェントの中のコンテンツとして、私が呼ばれたわけだ。しかもナイトクラブでやる。これはまあ初めてのことであって、三輪タクシーに乗っている私の手は、すでにじっとり濡れていたのである。N女史はニヤニヤしながらこっちを見ている。

チケットはフルハウス。何故こんなに客が来てるのだろう。私のCDなんかヴェトナムでも売ってないのに。文化庁(?)の人が言うには、youtubeとかで見ているらしく、今更ながらネットってスゲエ。

ステージにはDJブース。パイオニアのCDJとミキサー。まあ、どこでやっても変わりはしない。いつものようにブルーにやるしかないものね。
マルコムXの演説に立川談志をのせてスタート。ハードバップサルサ、ラテン、そして最近のいわゆる「今ジャズ」と呼ばれる盤、さらに旧渋谷系も混ぜて私としてはやりきった。


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次の日。新聞にはこう書いてあったらしい。
「あたまがおかしい」と。